それ、「グレイナーの5段階企業成長モデル」で言われていることかも知れませんよ

最近よく耳にするのが、「フラットな組織を魅力としてきたが、機能しなくなってきた」という話。私自身も、これまで所属してきた組織で似たような状況に直面し、改革に取り組んだ経験があります。周りを見渡せば、たくさんの組織で同じような現象が起きていることに、ある意味で納得もしています。

でもこれって、「グレイナーの5段階企業成長モデル」で言われていることとピッタリ重なっているんですよね。多くのマネージャーが、組織論には精通しているとは思うんですが、じゃあなぜ同じ落とし穴にはまるのか。不思議ですよね。

知っているからって、必ずしもうまくいくわけじゃない。それは、企業ステージが事業の内容や組織の特性によって、影響を受ける変数が異なるからだと思うんです。企業ステージの変化って、突然「さあ、次のステージだよ!」と知らせてくれるものじゃないんですよね。気づけばいつの間にか、その段階特有の危機に直面していたり、問題が顕在化してバタバタと対応に追われていたりするんです。

だから実際に行動に移すとき、その重さや複雑さに戸惑うことも。さらに、魅力として築き上げてきた組織の方針を変える、そんな決断もなかなか難しいですよね。この辺りは、実際に経験してみないとわからないことかもしれません。

適切な対応ができるのは、結局のところ「そのステージを乗り越えた経験を持つ人」なのかもしれませんね。経験者って、次に起こりうる危機をピンポイントで見抜くとことができます。彼らは、危機がまだ小さなうちに気づいたり、どう対処すればいいのかも知ってたりする。

経営者や責任者としては、どんな状況でもしっかりと舵を取り、適切な判断を下さなければなりません。難しいですね。

あらためて「グレイナーの5段階企業成長モデル」をみて、いまの組織がどの段階でどのような危機に面しているのか確認すると良いかもです。


グレイナーの5段階企業成長モデル

グレイナーのモデルは、組織の成長とそれに伴う課題を理解するための枠組みを提供します。組織は異なる5つの成長段階を経て進化し、各段階は独自の特徴と課題を持っています。

創業期(クリエイティブな成長)

創業期は、組織が新しく形成された初期段階です。ここでは、組織の成熟度は低く、創業者や経営者の直接的な指導と決定が中心です。管理は単純で直接的であり、戦略は主に創業者のビジョンに基づいています。しかし、成長に伴い、このスタイルではリーダーシップの危機に直面し、創業者や経営者がキーマンとなります。

指導期(指導的成長)

指導期では、組織は成長し、より多くの従業員と明確な役割分担が必要となり、組織の成熟度が中程度になります。中間管理職が導入され、管理はよりフォーマルになります。戦略は効率的なオペレーションと事業の拡大に焦点を当てますが、自律性の危機に直面する可能性があり、中間管理者がキーマンとなります。

分権期(分権的成長)

分権期では、組織は複数の事業部や部門に分権化され、組織の成熟度は中から高になります。各事業部は自身の戦略と運営に関して自律性を持ち、管理は複雑になります。独立した事業部による多角化と市場対応の迅速化が戦略の焦点となりますが、全体の統制の危機が生じます。事業部門のリーダーがこの段階のキーマンです。

調整期(システム化された成長)

調整期では、組織は大規模化し、全社的なシステムとプロセスが導入されます。組織の成熟度は高くなり、管理は詳細なシステムと手続きにより複雑になります。効率化とシステム化による統制と標準化が戦略の重点となりますが、過度な官僚主義が赤字の危機を引き起こす可能性があります。上級管理者とシステム管理者がこの段階のキーマンです。

協調期(協調的成長)

最終段階である協調期では、新しいチームベースの組織構造が導入され、組織は非常に高い成熟度を持ちます。管理はチームベースのアプローチと多様な組織構造により複雑です。革新と市場適応のための協調的なアプローチが戦略の中心となりますが、成長に伴う統合と調整の課題に直面します。チームリーダーとイノベーターがこの段階のキーマンとなります。