個々の成長を支援するために「⼈⽣100年時代の社会⼈基礎⼒」を用いてみた

ピープルマネジメント領域を担っている際、「メンバー育成」を進めるにあたって何を話して「気づき」を得てもらうのか考えることがあります。新卒・ジュニアメンバーと中堅・シニアメンバーは、求める視点が異なり何に取り組んでもらうのか設計する必要があります。多くの組織は評価制度と紐付けてコンピテンシーもあるので、それと付き合わせるのも一つです。

組織の評価制度を用いて個人と対話する際、スコープが組織であるがゆえに「この会社・部署が求めていることで、一般的にどうなのか?」という疑念が生まれてしまいます。マネージャー個人の経験則ではなく、より大きな枠組みで一般的に言語化されているものを提示することで、所属会社・組織を離れたとしても、活躍できるイメージを持ってもらうこと良いと思います。

わたしは組織の評価制度・コンピテンシーにあわせ、「⼈⽣100年時代の社会⼈基礎⼒」という概念を参考にしています。

1次ソースを確認したい方は、こちらを参考にください。

www.meti.go.jp

スキル・社会人基礎力・マインドの構造

業界等の特性に応じた能力をアプリ、社会人としての基盤能力をOSと表現しています。持続的に活躍するためにはアプリ(=社内スキル・専門スキル)の獲得やアップデートが必要である一方、それを最大限に活かすためにはOS(=基礎力・マインド)を身につけ持ち続ける必要があります。

専門職・技術職だと、どうしても「専門スキル」にだけ意識が向かいます。「専門スキル」の獲得・アップデートだけが目的になってしまうと、OSが弱く「専門スキル」を最大限に活かすことができない可能性があります。

アプリとOSの双方をアップデートしつづける必要があります。

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(画像引用元:「人生100年時代の社会人基礎力」説明資料: P1)

新卒・ジュニアメンバーにとっての確認ポイント

学生時にカリキュラム・独学で「専門スキル」を獲得していることもあります。社会に出てその「専門スキル」を用いて活躍できているか?というリフレクション(=振り返り)をしてみてください。

もし、「もっと活躍できるはず!」と自己認識している場合は、改善点を探しましょう。次のような「問い」をすると良いと説明資料に書かれています。

学生生活から社会に出て、新しいコミュニティに入ることになるため、他者と比較してまうこともあるでしょう。自信が揺らぎやすく悩みがふえないように、「どんな自分でありたいか(toBe)」をしっかり考えるフェーズでもあります。 toBeを考えそれを実現するために必要なことを、社会人基礎力の「3つの能力/12の能力要素 」からピックアップし、短期的な取り組みを設定しましょう。

視点 問い
何を学ぶか 自らが付加価値を生み出すための学びはなにか
学びの広さや深さを得らえるか
どのように学ぶか 多様な人と出会い 、視野を広く持ち、多様な機会を得ているか
どう活躍するか 組織や家庭との関係でどんな自分でありたいか

(引用元:「人生100年時代の社会人基礎力」説明資料: P6)

中堅にとっての確認ポイント

社会人3-5年となると特定の分野にて「専門スキル」の確立ができ、活躍できている状態だと思います。次のフェーズとして、持続的に活躍するには?より大きな活躍するには?という取り組みをしているかもしれません。

これらを実現するために、「強み」を伸ばしつつボトルネックになっている「弱み」を克服することも検討しましょう。数年続けてきた「専門スキル」のアップデートは今後も可能なのか、横展開し新たに獲得する必要があるのか考える時期でもあります。

自己実現が自身ひとりの枠を越えて、他者を巻き込む必要があるかもしれません。他者が同じ職能かもしれませんし、異なった職能の方と協業する必要があるかもしれません。その時に必要な「社会人基礎力」が備わっているのか、リフレクション(=振り返り)をしてみてください。


視点 問い
何を学ぶか 強みを伸ばし、弱みを克服する学びはなにか
社会や技術の変化に対応するための学びはなにか
どのように学ぶか 多様な人との関係性を構築し、価値の創出に向けて組み合わせているか
どう活躍するか 自己実現するためにどのような行動が必要か

(引用元:「人生100年時代の社会人基礎力」説明資料: P6)

個人と学びと組織内ですべきことを結びつける

3つの視点・問いから行動を考え、実際に行動することから学びを得てリフレクションをします。経験学習サイクルを回すことになります。

多くの人は所属している企業・組織にて、行動するにことになります。いま現在、1on1を取り入れている組織も増えてきました。1on1の時間を有効に使えるかどうかは、3つ視点・問いに対する考え方に依存します。メンターと対話しながら、自己の成長につなげましょう。

もし、所属企業・組織にその手段がない場合は、外部に頼っても良いはずです。外部サービスを使ったり、副業して外の世界を知ることも気づきを得る機会になるでしょう。




(参考・引用元)

www.meti.go.jp