ピープルマネジメントを長くやっていると、「自分の長所を活かしてほしい、得意なことに集中したい」という声をよく耳にします。それがチームや組織にとってうまく機能するなら理想的ですが、現実はそう簡単ではありません。
「得意なことに集中できる環境とはどんなもの?」と聞いてみると、多くの場合、具体的なイメージを持っていない。チームとして成り立つためには、不得意なことを他の人に任せたり、助けてもらう必要があります。それには十分な人数が必要で、結果としてある程度大きな組織に属する必要が出てきます。ここで、自分がどれくらいの規模の組織に属したいのか、そして何をしたいのかを考えることが大切です。もしかしたら、理想とする環境が現実には存在しないかもしれない。
何かに特化していることは素晴らしいです。ですが、ある程度、様々なことができる人も必要です。組織の成長段階によって求められるスキルや役割も変わってきます。このマッチングをどう仕組み化するかがキーになります。
一方で、組織としては以下のようなスキルを持つジェネラリスト型の人材を求めがちです。
- コミュニケーション能力
- 問題解決能力
- プロジェクト管理能力
- 適応力と柔軟性
- 基本的な技術スキル
- 人間関係構築能力
- 戦略的思考
- 財務リテラシー
- 自己管理能力
特化型の人材でも、周囲と協力して仕事を進めるための基本的なスキルは必要です。組織に属する以上、チームとして成果を出すことが求められるので。
リーダーは、これらのスキルをメンバーに理解してもらうよう働きかけるしかないです。組織として成功するためには、個々の長所を活かしつつ、全体としてバランスの取れたスキルセットを持つことが必要です。
結局のところ、組織側はジェネラリスト型の人材に求めるスキルを明確にするしかないし、それをメンバーに理解してもらうしかない。一方で、メンバーは自分の得意なことを活かせる環境を具体的に考え、それが組織の規模や成長段階に適合するかを見極めるしかない。こうして個々の長所を活かしつつ、チーム全体としてバランスの取れた成果を上げることができる環境を作るしかないのかなと。