エンジニアリングマネージャーとしてのこだわりポイントと哲学
エンジニアリングマネージャー(=EM)の役割を持ちつつ、いちエンジニアとしても働くことが増えました。 EMの責務の一つとして、ピープルマネジメントがあります。
もう一年以上前?になりますが、カジュアル面談にこられたとある方から「EMの役割を担っている方のピープルマネジメントの話を聞きたい」とリクエストがありました。 事前に、次の項目をリストアップいただきました。
- 育成のベースとなる考え
- 育成者としてのプライド
- やらないようにしていること
- やるようにしていること
その回答として、箇条書きにしたドキュメントをお渡し、それを見ながら意見交換を交えつつカジュアルにお話ししました。
ピープルマネジメントをする際、非常に重要なことであり、属する組織 / マネージャースタイルによって異なると思います。 ですが、私がマネジメントする際のベースとなる考え方はブレることはないので、公開してしまいます。
ちなみに、もう2つトピックがあって
- 全体をみてやっているところで、苦労していること
- やってよかったなという成功体験
は、所属組織に関することなので、お聞きしたい方はぜひカジュアル面談にお越しください。
育成のベースとなる考え
- 「他人を変えることはできない」(アドラー)
- 自身を変えることができるのは自身のみ、私はそのキッカケを提供するだけ
- 「憧れ」「師匠」を見つけるのは良いが、同じように成れない&成る必要がないということに気付き「だからどうする?」の考えを持つ(自己形成)
- 人は育つことを前提として、コーチは「育つスピードを最大化させる」のが仕事
- 「育つ」ことが前提であり、「育てる環境」を提供する
- 本人がまだ気づいていない能力に興味を持たせる
- unknownな能力を知る
- 実践できている「能力」を認知させる
- 自ら考え気付きを得たときのみ、その知見は生きる「肉となり血となり」永遠に残る
- 「教える」とそのときのみで、時間と共に消える
- 「教える」と「教え」を求めはじめ、思考することを投げ出してしまう
- 自分で考えるだけではなく、他者の意見を聞き合わせることで、気付きを得る
- 失敗を許容する
- 何を学んだかがすべて、学びを得ない「成功」は意味がない
育成者としてのプライド
- 育成は目的としない、ビジョンミッションを体現する組織を持続させるための手段である
- 育成がうまくいったからという評価を求めない
やらないようにしていること
- Teachingは極力しない
- アドバイスはするが、それを受け取るかどうかは相手しだい。受け取らないという選択は尊重する
やるようにしていること
- 最低2年はコーチングを続ける、諦めない
- 時間がかかろうと、コーチングのスタイルは貫く
- 辛抱強く見守る
- 焦って「自分がやった方が早い」リーダーあるある絶対やらない
- 必要なら周囲のステークホルダーと調整する
- 適切なタイミングで、コーチングを投下する
- 学ぶ必要があるタイミングで投下する
- 問題・課題を解決するために、本人の能力領域を越えた(本人が認知すらしていない)ものが必要なときにアドバイスをする
- 当たり前のことを有意識で実践するように声をかける
- 職能特化の能力・スキルよりも、一般的な「仕事を進める能力」である基礎・基本も大事
- 常に他者とのコミュニケーションを意識させる
- チームの課題はチームで取り組んでもらう(個人に依存させない)